あやかしを視るα版
小豆洗い(竹原春泉『絵本百物語』)
絵:小豆洗い(竹原春泉『絵本百物語』)。竹原春泉、1841年(Public domain)出どころ

小豆洗い

読み
あずきあらい
別名・土地での呼び名
小豆こし/小豆ごしゃごしゃ/小豆そぎ/小豆とぎ/小豆アゲ
種類
音
出る場所
川・淵・沼

小豆洗い(あずきあらい)は、川で小豆を洗うといわれる日本の妖怪。 山梨県笛吹市境川、藤垈の滝付近、新潟県は糸魚川、秋田県、群馬県、京都府、東京都、愛媛県など、出没地域は全国多数。そのため別称も多岐にわたり、広島県世羅郡、山口県美祢郡(現・美祢市)、宇部市、愛媛県広見町(現・鬼北町)などでは小豆とぎ、岩手県雫石村(現・雫石町)では小豆アゲ、長野県長野市川中島では小豆ごしゃごしゃ、山梨県北巨摩郡では小豆そぎ、鳥取県因幡地方では小豆こし、岡山県都窪郡や阿哲郡(現・新見市)では小豆さらさら、香川県坂出地方では小豆ヤロなどと呼ばれる。前述の愛媛県広見町では砂洗いとも呼ばれる。

出どころ: ウィキペディア「小豆洗い」(CC BY-SA 4.0)。記事の冒頭の要約。

各地の伝承

長野県松本市では、木を切り倒す音や赤ん坊の泣き声をたてたという。群馬県邑楽郡邑楽町や島根県では、人をさらうものといわれたり、松江城近くの普門院のそばの「小豆研ぎ橋」には、謡曲「杜若(かきつばた)」を歌うと厄災が起きるという伝承がある。

陸奥国白河藩の『白河風土記』(文化2〈1805年〉)巻四によれば、鶴生(つりう、現・福島県西白河郡西郷村大字)の奥地の高助という所の山中では、炭窯に宿泊する者は時として鬼魅(きみ)の怪を聞くことがあり、その怪を小豆磨(あずきとぎ)と呼ぶ。炭焼き小屋に近づいて夜中に小豆を磨ぐ音を出し、その声をサクサクという。外に出て見てもそこには何者も無いと伝えられている。

茨城県や佐渡島でいう小豆洗いは、背が低く目の大きい法師姿で、笑いながら小豆を洗っているという。これは縁起の良い妖怪といわれ、娘を持つ女性が小豆へ持って谷川へ出かけてこれを目にすると、娘は早く縁づくという。

大分県では、川のほとりで「小豆洗おか、人取って喰おか」と歌いながら小豆を洗う。その音に気をとられてしまうと、知らないうちに川べりに誘導され落とされてしまうともいう。音が聞こえるだけで、姿を見た者はいないともいわれる。

この他、ひたちなか市勝田地区には、「あずきばあさん」と呼ばれる伝承が近代までみられ、話者によっては、小豆洗いの妻と解釈もされているが、老婆が洗っていると認識された。

正体

小豆洗いの正体を小動物とする地方もあり、新潟県刈羽郡小国町(現・長岡市)では山道でイタチが尻尾で小豆の音を立てているものが正体だといい、新潟県十日町市でもワイサコキイタチという悪戯イタチの仕業とされる。

記事の「各地の伝承」・「正体」の節から。長い節は700字で切っています——続きは記事で。