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奪衣婆
- 読み
- だつえば
- 別名・土地での呼び名
- 優婆尊/姥神/正塚婆/脱衣婆/葬頭河婆
奪衣婆(だつえば)は、三途川(葬頭河)で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼。脱衣婆、葬頭河婆(そうづかば)、正塚婆(しょうづかのばば)姥神(うばがみ)、優婆尊(うばそん)とも言う。 多くの地獄絵図に登場する奪衣婆は、胸元をはだけた容貌魁偉な老婆として描かれている。例えば『熊野観心十界曼荼羅』に登場する奪衣婆は獄卒の鬼よりも大きい。日本の仏教では、人が死んだ後に最初に出会う冥界の官吏が奪衣婆とされている。奪衣婆は盗業を戒めるために盗人の両手の指を折る。そして亡者は奪衣婆に衣服を剥ぎ取られ全裸にされる。剥ぎ取られた衣類は懸衣翁という老爺の鬼によって川の畔に立つ衣領樹という大樹に掛けられる。衣領樹に掛けた亡者の衣の重さにはその者の生前の業が現れ、衣が掛けられた衣領樹の枝のしなりぐあいで罪の重さがはかられ、その重さによって死後の処遇を決めるとされる。 経典での奪衣婆の初出は、中国の経典『仏説閻羅王授記四衆逆修七往生浄土経』をもとに、日本で12世紀末で成立した偽経『仏説地蔵菩薩発心因縁十王経』である。『仏説閻羅王授記四衆逆修七往生浄土経』は日本に招聘された中国僧によって10世紀には説かれており、『法華験記』(1043年)には、奪衣婆と同様の役目を持つ「媼の鬼」という鬼女が登場することから、奪衣婆の原型は地蔵十王経成立以前から存在していたと考えられる。 奪衣婆は鎌倉時代以降、説教や絵解の定番の登場人物となり、服がない亡者は身の皮を剥がれる、 三途川の渡し賃である六文銭を持たずにやってきた亡者の衣服を剥ぎ取る など、さまざまな設定や解説が付け加えられた。
出どころ: ウィキペディア「奪衣婆」(CC BY-SA 4.0)。記事の冒頭の要約。