あやかしを視るα版
犬神(鳥山石燕『画図百鬼夜行』)
絵:犬神(鳥山石燕『画図百鬼夜行』)。鳥山石燕、1776年(Public domain)出どころ

犬神

読み
いぬがみ
別名・土地での呼び名
イリガミ/インガメ

犬神(いぬがみ)は、狐憑き、狐持ちなどとともに、西日本に最も広く分布する犬霊の憑き物(つきもの)。近年まで、大分県東部、島根県、四国の北東部から高知県一帯においてなお根強く見られ、キツネの勢力圏ではない四国を犬神の本場であると考える説もある。また、犬神信仰の形跡は、島根県西部から山口県、九州全域、さらに薩南諸島から沖縄県にかけてまで存在している。宮崎県、熊本県球磨郡、屋久島ではなまって「インガメ」、種子島では「イリガミ」とも呼ばれる。漢字では「狗神」とも表記される。

出どころ: ウィキペディア「犬神」(CC BY-SA 4.0)。記事の冒頭の要約。

犬神の由来

犬神の憑依現象は、平安時代にはすでにその呪術に対する禁止令が発行された蠱術(こじゅつ:蠱道、蠱毒とも。特定の動物の霊を使役する呪詛で、非常に恐れられた)が民間に流布したものと考えられ、 飢餓状態の犬の首を打ちおとし、さらにそれを辻道に埋め、人々が頭上を往来することで怨念の増した霊を呪物として使う方法が知られる。

また、犬を頭部のみを出して生き埋めにし、または支柱につなぎ、その前に食物を見せて置き、餓死しようとするときにその頸を切ると、頭部は飛んで食物に食いつき、これを焼いて骨とし、器に入れて祀る。すると永久にその人に憑き、願望を成就させる。獰猛な数匹の犬を戦い合わせ、勝ち残った1匹に魚を与え、その犬の頭を切り落とし、残った魚を食べるという方法もある。大分県速見郡山香町(現・杵築市)では、実際に巫女がこのようにして犬の首を切り、腐った首に群がった蛆を乾燥させ、これを犬神と称して売ったという霊感商法まがいの事例があり、しかもこれをありがたがって買う者もいたという。

しかし、犬神の容姿は、若干大きめのネズミほどの大きさで斑があり、尻尾の先端が分かれ、モグラの一種であるため目が見えず、一列になって行動すると伝えられている。これは、犬というより管狐やオサキを思わせ、純粋に蠱道の呪法(『捜神記』の犬蠱のような)を踏襲した伝承というわけではないと考えられる。むしろ狐霊信仰を中心とする呪詛の亜流が伝承の中核を成していると考えられる。

記事の「犬神の由来」の節から。長い節は700字で切っています——続きは記事で。