あやかしを視るα版
磯撫で(Ehon Hyaku Monogatari)
絵:磯撫で(Ehon Hyaku Monogatari)。Takehara Shunsen、1841年(Public domain)出どころ

磯撫で

読み
いそなで
別名・土地での呼び名
巨口鰐
出る土地
長崎県
出る場所
海

磯撫で(いそなで)は、肥前松浦をはじめ西日本近海に伝わる怪魚。江戸時代の奇談集『絵本百物語』に記述がある。古書『本草異考』では巨口鰐(おおぐちわに)と呼ばれている。

出どころ: ウィキペディア「磯撫で」(CC BY-SA 4.0)。記事の冒頭の要約。

概要

外見はサメに似ており、尾びれに細かい針がおろし金のように無数にある。

北風が強く吹くと現れ、近くの海を通りかかる船を襲う。その襲い方は実に巧みで、水を蹴散らして泳ぐのではなく、あたかも海面を撫でるかのように近づき、人を襲うまでは決して姿を見せない。そして尾びれの針で人を引っ掛けて海中に落とし、食べてしまう。

船に乗っている人は、磯撫での接近にまず気づくことはない。何となく海の色が変わったと思った時点で既に手遅れであり、仰ぐような風を感じると、それが海面から浮かび上がった磯撫での尾の起こした風である。磯撫でが現れたと気づいた頃には、既に尾びれで捕えられている結果となる。

船乗りにとっては決して防ぐことのできない恐るべき存在であり、また魚を釣るはずの人間が逆に魚に釣り上げられてしまうという、皮肉な存在でもある。

「磯撫で」の名の由来は、海面を撫でるかのような現れ方が由来という説や、尾びれで人を襲う様子が撫でるように見えるという説がある。

三重県熊野市では、海辺に死人がいると「磯撫でに撫でられたのだろう」といわれたという。

妖怪研究家・多田克己の推測によれば、この磯撫では想像上のものではなく、シャチのことを指しているとしている。しかしシャチには磯撫でのような尾の針などはないが、多田克己は、室町時代頃に日本が中国や東南アジアと貿易し始めたことから、東南アジアに進出した日本人が現地のイリエワニを見て、そのイリエワニの背から尾にかけての突起が、磯撫での尾の針などの表現につながったと推測している。

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