あやかしを視るα版
火車(鳥山石燕『画図百鬼夜行』)
絵:火車(鳥山石燕『画図百鬼夜行』)。鳥山石燕、1776年(Public domain)出どころ

火車

読み
かしゃ
別名・土地での呼び名
化車
種類
猫

火車 / 化車(かしゃ)は、葬儀・葬列において亡骸を奪うとされる日本の妖怪。 その標的は、悪行を積み重ねた末に死んだ者だとする解説もあるが、本来の仏教の火車(別項火の車を参照)は確かに悪人を地獄に送るための乗物ではあるものの、妖怪譚における火車はその宗教色が薄れており、奪おうとする遺体は必ずしも悪人のそれではない、と指摘される。 すなわち近世初期・江戸初・中期頃の説話や絵画ではまだ、火車は鬼神の乗物であったり、雷神の鬼姿だったりしたが、火車と死体をさらう猫又伝承との習合が起こり(参照)、17世紀末頃に猫型の火車が確立した。鳥山石燕(18世紀)が絵画で猫姿の火車を描いている(参照)。

出どころ: ウィキペディア「火車 (妖怪)」(CC BY-SA 4.0)。記事の冒頭の要約。

概要

葬式や墓場から死体を奪う妖怪とされ、伝承地は特定されておらず、全国に事例があり、そのことは既に18世紀に鳥山石燕も述べている。

江戸初期ころは、地獄の獄卒(鬼)、牛頭馬頭の妖怪として描かれたが、16世紀後半には雷が遺体をさらう構図が確立し、雷神姿の火車も登場。17世紀末頃には猫型の火車の説話が確立し、18世紀後半には鳥山石燕が猫型の火車を絵画にし、しだいに正体は猫の妖怪とされることが典型的となった。年老いた猫がこの妖怪に変化するとも言われ、猫又が正体だともいう。また、あらわれるときに暗雲や雷鳴・雷雨を伴うといわれる。

「猫檀家」も火車を題材とした昔話で、貧乏寺の猫が和尚に報いて手柄を上げさせるため、火車の悪役を買って出て一芝居打つ報恩譚である。播磨国(現・兵庫県)でも山崎町(現・宍粟市)に「」の類話がある。

また、棺の死体が火車に奪われないようにするための様々な対策も、各地の迷信に存在する(参照)。

各地の伝承

宮崎県の昔ながらの葬儀の風習(かつて丸棺に坐葬するのが主流の頃)では、二次的な通夜を葬儀の後にも2日設け(よって都合4日)、この「ツヤ」の期間、遺体に誰かが四六時中付き添い、夜も「夜伽(ヨトギ)」などと称して、近親者が添い寝する風習があった。これは、絶えず見張りを立てていないと、火車がやってきて遺骸を盗みに来るだから、といわれた(五ヶ瀬町・西都市三宅の風習)。そのため、猫は忌避されており、通夜のあいだは籠に閉じ込めて室内には入れなかった。

記事の「概要」・「各地の伝承」の節から。長い節は700字で切っています——続きは記事で。