あやかしを視るα版
芝右衛門狸(竹原春泉『絵本百物語』)
絵:芝右衛門狸(竹原春泉『絵本百物語』)。竹原春泉、1841年(Public domain)出どころ

芝右衛門狸

読み
しばえもんたぬき
別名・土地での呼び名
柴右衛門狸
出る土地
兵庫県
種類
狸

芝右衛門狸、柴右衛門狸(しばえもんたぬき、しばえもんだぬき)は、兵庫県淡路島に伝わる化け狸。佐渡島の団三郎狸、香川県の太三郎狸と並び、日本三名狸に数えられている。江戸時代の奇談集『絵本百物語』にも記述がある。人間に化けて芝居見物をしている最中、犬に襲われて命を落としたといわれるが、詳細は地域や文献によっていくつかの異説が見られる。

出どころ: ウィキペディア「芝右衛門狸」(CC BY-SA 4.0)。記事の冒頭の要約。

兵庫県の伝説

芝右衛門狸は淡路島の洲本市の裏山の三熊山の頂上に、妻のお増(おます)と共に住み、月夜にはよく陽気に腹鼓を打っていた。人間に化けて木の葉を金に見せかけて買物をするような悪戯も働いたが、その一方では酔って山中に迷い込んだ人間を案内したりと親切な行ないもしていたので、誰からも憎まれていなかった。親切にされた人々は、彼らの住処に礼として一升徳利を収めた。

あるときに芝右衛門は浪速(現・大阪市)の中座で大人気の芝居があると聞き、お増と共に人間に化けて大阪へ渡った。初めて踏む地である大阪を見物する内に2匹はすっかり陽気になり、化け比べをすることになった。まずはお増が大名行列に化け、芝右衛門の前を通り過ぎた。続いて芝右衛門が化かす番。お増の前を長い殿様行列が続いた。お増が「うまいうまい」と声を上げて褒めたところ、たちまち行列の1人の武士に斬り殺された。行列は芝右衛門ではなく本物だったのである。

悲嘆に暮れた芝右衛門は淡路へ帰ろうとしたが、せめて最後にお増も見たがっていた芝居を見ることにして、術で木の葉を金に変え芝居小屋へ通うようになった。しかし芝居小屋では毎日の入場料に木の葉が混ざっていることから、タヌキが人間に化けて紛れ込んでいると疑い、番犬を見張らせることにした。

芝居見物も今日を最後にして淡路へ帰ろうと、芝右衛門は小屋へやって来ると、大の苦手な犬がいた。芝右衛門は恐怖心を隠しつつ入口を通り抜けたが、その安心した隙をついて犬が襲い掛かってきた。たちまち芝右衛門はタヌキの姿に戻ってしまい、犬を連れた人々に追い回され、遂には頭を殴られて命を落とした。

記事の「兵庫県の伝説」の節から。長い節は700字で切っています——続きは記事で。